晴れの日に起こる幾つかの出来事

shimizu_h2005-10-12


 最初に目が覚めたのは、携帯のアラームが設定してある9時だったが、午前中は予定もなかったので二度寝の誘惑に抗うこともなく、12時まで右になったり左になったりしながらベッドの中で過ごした。


 カーテンの隙間を通ってくる光から晴れているのは分かっていたけど、外に出てみると空気は柔らかな透明感を静かに湛え、秋の日差しは爽やかだった。


 あんまり気持ち良い天気だったので、昼御飯の材料を買いに行くつもりが、家の前の公園のベンチに座って、3年ぶりにまた始めたタバコを数本吸った。公園には4、5人の子供を連れた主婦が2人と、奥のベンチに老夫婦のような老人が2人、あと、大学生らしき男2人がサッカーボールを蹴っていた。


 静かだった。聞こえるのは風に木の葉が揺れる音、鳥と子供たちの声だけだった。それでも、世界は完全に成立していた。数年前まで音楽をやっていた時、よくそういうことを考えていた。世界の前では僕らは限りなく無力だけど、それはいつも心地良い無力感だ。


 何となくジョン・ケージの音楽が頭に思い浮かんだ。それから弁当を買って来て公園で昼御飯を食べた。


 出掛けようと思ってぐずぐずしているうちに電話がかかってきて、夕方は書類を作ったりして、雑用を済ませて過ごした。


 夜はテレビでやっていなかったので、パソコンで野球を見た。やっぱりホークスにはプレーオフは鬼門らしい。