電脳コイル


 NHKで最近やっていた(今も再々放送くらいしてるのかな?)『電脳コイル』が面白くて、26話あるのを2、3回繰り返し見てしまった。そんなにまめにアニメ作品をチェックしてるわけじゃないからなんとも言えないけど、本当に秀逸な出来だと思う。


 現実と電脳世界という世界観をベースに、手で触れられるものと触れられないものへのテーゼ(どっちが本当?)とか、友達や人と人の距離なんかを、小学生の少年憧憬が散りばめられた美しい大黒市を舞台に、謎の電脳生物・イリーガルとか「あっちの世界」とかちょっとオカルトちっくな小学生の頃には必ずあったようなうわさを都市伝説という形で織り込みつつ、物語が進んでいく完成度と心くすぐる魅力的な世界に見たら必ず引き込まれます(…多分、人によって)。


 所々にはさみこまれたエピソードも小学生の頃の誰にでもあるような思い出をこの世界観に持ち込んで、再現していて素敵。そして、「4423」の謎が明かされる最後2話のクライマックスの高まりも圧巻です。音楽も世界観にマッチしていてとてもいい。


 原案・監督の磯光雄という人は押井守高畑勲作品など、所々で名前を見かける人みたいだけど、とかく、NHKでひっそり流して終わるにはもったいない作品*1

*1:平成19年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞しているそうです。